IB学習者像

全てのIBプログラムでは、一貫した学習者像(learner profile)を求めており、当校では、具体的な行動リストを定めています。10個ある学習者像はIB学習に不可欠の要素であり、KISTではエレメンタリースクールの最年少の子どもたちが学ぶ教室から、最上級であるG12の学習スペースのいたるところでこの学習者像が掲示されています。IB学習者像は学生時代の教室内だけでなく、学校外、そして社会に出てからも生徒が追い求めるべき学習者の姿を表しています。IBカリキュラムで学習者像に導かれ、学ぶことを通して、生徒は特定の国の枠組みを超えた国際的な価値観や倫理観を身に着け、責任ある地球市民へと成長していくのです。

子供たちに求められる学習者像は:

Inquirers
探究する人

– 世界について好奇心を持つ
– 質問をする
– 学習に対する熱意を示す

Knowledgeable
知識のある人

– 世の中について学ぶ
– 様々なことを知る
– 事実を関連付ける

Thinkers
考える人

– 問題を解決する
– アイデアを考える
– クリエイティブな解決法を見出す

Communicators
コミュニケーションできる人

– アイデアを共有する
– 他の人の意見に耳を傾ける
– 他の人の理解を助ける
– 様々な言語を使用する

Principled
正義感のある人

– 順番が守れる
– 期限までに課題を終わらせる
– 正直で公平
– 正しいことをする

Open-minded
心をひらく人

– 新しい経験を受け入れる
– 違いを受け入れる
– 他他者の真価を認める

Caring
思いやりのある人

– 人を尊敬、尊重する
– ポジティブである
– 他の人を助ける

Risk-takers
挑戦する人

– 常に挑戦してみる
– 勇敢である
– 新しいことにチャレンジする

Balanced
バランスのとれた人

– いろいろなことをして過ごす
– 勉強、運動、娯楽、休養のバランスをとれる

Reflective
深く考え反省できる人

– 自分の得意分野と向上させる必要がある分野を知る
– 自分の学習について考える

エレメンタリースクールでのIB学習者像

KISTエレメンタリースクールの生徒は年少の段階から学習者像を模倣し、体現することを奨励されます。エレメンタリーのK1からG5の教室には各学習者像のポスターや学齢にふさわしい説明が掲示され、リテラシーの授業で読まれる本の登場人物やUoI(探求単元)で学ぶ歴史上の人物などがどの学習者像に当てはまるのかについて話し合うなど、学習者像が頻繁に話題にのぼります。教師も、学習や社会的なかかわりの中で特定の学習者像を体現した生徒を表彰するLearner Profile Awardsなどを通して、特に優れた行動・態度を示した生徒を定期的に称賛します。このようにしてKISTのエレメンタリー生は次の学習ステージに進むため、バランスの取れた国際感覚を持つ青年へと成長するのです。


セカンダリースクールでのIB学習者像

KISTセカンダリースクールの生徒はエレメンタリースクールで培った学習者像の基本的な理解をさらに深めるため、学習や生活の場で学習者像のより複雑で微妙な差異のある応用を求められます。10の学習者像は理想として目指すべき姿ですが、それにとどまらず、学習者像が求める姿をさらに深く理解し、場面に応じて適切に成立させることを推奨されます。MYPでは、各生徒が学習者像を最もよく体現したと思われるクラスメートを選出する学年単位のLearner Profile Award system(学習者像表彰システム)に参加します。このAwardで表彰された生徒は学期末の集会で賞状を受取り、Wall of Honor(名誉の壁)と呼ばれる壁に自身の手形を残すことができます。

学習者像はIBプログラムの理念と教育手法に密接に関わっています。それぞれの学習者像はIBの学習モデルを通して発達します。例えば、生徒はIBの推奨する批判的、分析的な思考法を通して「thinkers/考える人」として成長します。また、MYPのglobal contextやDPのTOK(知識の論理)を通して「open minded/柔軟な心を持つ人」に成長します。また、MYPの保健体育や芸術カリキュラム、そしてDPでのCASを通じて「balanced/バランスの取れた」学習体験やライフスタイルを身につけます。このように、学習者像とIBプログラムは国際感覚を持った地球市民の育成に本質的に関わっているのです。