生徒のケア指導

KISTでは生徒が身体的、精神的、そして知的に健康で、安心でき、尊重されていると感じられる環境を提供することを目標としています。低学年生徒の精神及び社会的発達教育、学業や生活において更なる指導を必要としている生徒のためのサポートシステムは大変重要であると考えています。そのため、本校では生徒が心身ともに健康的に成長し、快適に学べる環境を整えるために、PYPの生徒を対象にした生徒ケアプログラムを構築しました。


生徒ケアコーディネーター

KISTにはエレメンタリー生徒ケアの企画・監視をする生徒ケアコーディネーターが配置されています。コーディネーターの主な責任は、社会的、精神的発達教育プログラムのデザイン及び実施であり、プログラム内にはコミュニケーション能力向上、いじめ対策、社会において必要なスキルの教育などが含まれています。コーディネーターは各学年の担任と協力し、コミュニティーサークルの授業内でSEALプログラム(下記をご覧ください)を通し、対象の学年・年齢に適した授業を行います。

生徒ケアコーディネーターは教師や生徒の必要に応じて個々に対応することもあります。KISTでは生徒がコーディネーターに安心して相談できる環境づくりに努めています。コーディネーターは担任、運営チーム、生徒の家族と連携し、生徒の健康のために最善を尽くします。生徒ケアコーディネーターは生徒の福祉について記録をとっており、エレメンタリーの全校生徒が心身共に健康なことを確認しています。生徒ケアコーディネーターは認可されたセラピストではありませんが、定期的にカウンセラーを対象とした研修に参加しており、プロの診断・治療が必要な状況を判断し、紹介することができます。


コミュニティーサークル

1週間に1回全学年において生徒はコミュニティーサークルという授業に参加します。この授業では同級生のコミュニティーとして生徒たちはお互いに気になっている出来事について話すことができます。45分の授業の間で生徒たちは学校内での自らの行動や言動を振り返ることにより、クラスメイトや先生に対して尊敬や感謝の心を育むことを目的としています。


SEALプログラム

KISTで実施しているSEALプログラムは英国で精神及び社会的発達教育を目的に開発されました。SEALはコミュニティーサークルの授業内で行われており、担任と生徒ケアコーディネーターが共に協力し生徒達が下記5つの精神及び社会的発達を目的としています。

  • 自己認識能力
  • 感情のコントロール
  • 意欲
  • 共感能力
  • 社会的スキル

SEALカリキュラムは1年間で6つの学習テーマを設けています。Unit of Inquiryと同じように、各学年でテーマが類似してることより、昨年学習した知識を元に年々生徒はテーマについて深く学ぶことができます。以下がテーマとなっています。

  • 新しい始まり
  • 仲間の作り方・仲間外れ、いじめ対策
  • 目標達成
  • 自分らしさ
  • 交友関係
  • 変化

生徒達は年齢に応じた参加型のアクティビティを通して、感情、コミュニケーション、問題解決について学ぶことに加えて、一緒に勉強する同級生との仲間意識を高めます。SEALプログラムで得た自己管理と対人関係に関するスキルはKIST生徒を自己認識能力の高い、強い青年に成長させ、セカンダリーでの勉強やこの先直面する複雑な人間関係の準備に役立つことでしょう。


生徒ケアイベントとイニシアティブ

生徒ケアコーディネーターはエレメンタリー運営チーム、スタッフ、生徒と共に生徒ケアに関する多くのアクティビティやイベントを計画しています。

いじめ反対週間

英国のいじめ反対週間とSEALカリキュラムの2つ目のテーマに伴い、KISTでは毎年11月にエレメンタリーの生徒はいじめ反対週間に参加します。アクティビティを通して生徒はなぜいじめの原因や多くの有効的な防止策を学びます。エレメンタリー全校生徒を含む朝礼などのイベントを通し、多様性の素晴らしさや違いを尊重する大切さを生徒達が理解し、広めることを目的としています。

インターナショナルスクールとしてKISTでは様々なバックグラウンドを持った生徒達が受け入れられ、安全に感じられる環境を作ることはとても大切です。この大変重要なミッション達成にいじめ反対週間は大いに貢献していると考えています。

21日間の親切

5月に行われるこのイベントは生徒に思いやり、優しさ、感謝の気持ちを表すことの重要性を伝えることが目的です。子どもたちに自らの言動が与える影響、発言や行動をする前に相手がどう受け取るか、他人を思いやる気持ちを教えることは学校の日認知能力教育において最も重要なことだと考えています。21日間の親切では、毎日生徒にその日行った5つの良いことを用紙に記入してもらい、思いやりが与える力を考えてもらいます。後に繋げられたこれらの用紙は、エレメンタリーの校舎に飾られ、小さな思いやり・親切・優しさの積み重ねが持たす影響力を示します。

ESRCイニシアティブ

エレメンタリー生徒会(ESRC)はエレメンタリーをより良い場所にすることに努めており、多くの場合話し合われている議題は生徒ケアにとっても重要な項目です。例えば、昨年の10月、ESRCが多くのイベント候補がある中から、へんてこ靴下日の実施を決定しました。へんてこ靴下日とは、変な靴下を履くことにより各々が自己表現をし、多様性を尊重することの大切さについて知ってもらうことを目的としたイベントであり、このイベントが直接いじめ反対週間の実施に繋がりました。また、ECEの遊び場に設置されている友情のベンチは、低学年生徒の案をもとにベンチを友情と多様性をテーマにデザインしたものです。付近に設置されている2台目のベンチは、1台目を見かけた生徒がまた同じベンチを作りたいと提案したものであり、現在ベンチはエレメンタリーの友情の象徴となっています。

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PYPエキシビションアクション

毎年5年生は実在する課題と向き合い、解決策を見いだすPYP エキシビションに参加します。エキシビションにおいて主な目的は選ばれた課題のリサーチとプレゼンですが、生徒達はコミュニティのために見いだした解決策を実践することを推奨されています。KISTでは多くの5年生がいじめや差別を課題として選び、本校でも実践できる解決策を考えてくれています。

PYPエキシビションの詳細はこちらから